1.紙の表裏(紙は二重人格だ)
人間の性格にも裏と表があるように(無い人にはすみません・・・・)一般の紙にもたいてい表・裏があって、よくみると平滑さにおいて多少差があります。

〈表裏差のできる理由〉紙の原料はおおまかにいうと97〜98%の水と残り2〜3%が木材繊維(長さ3.5〜1.5mm)、その原料を高速回転(800〜1300m/分)しているワイヤーの上を通して水を抜いていくことからはじめます。乾燥させて最終的に出来上がった紙はワイヤーの面に接しているほうが、やや凹凸があり紙の裏、ワイヤーに接していない面を紙の表といいます。ただし、最近は製紙技術が進歩して、ワイヤーの折り目の凹凸が少なくなって形がつきにくくなったり、二つのワイヤー(ツインワイヤー)で紙を挟みこむなどの方法で表裏差は非常につきにくくなってきました。一度コピー用紙をルーペでのぞいてください。凹凸の差で表裏がわかります。

2.紙の目?(紙にはータテ目/ヨコ目ーがあるよ・・・)
紙の表裏で取り上げたように、高速で回転するワイヤー上では紙の繊維は細長く進行方向に並びやすくなります。この方向を紙の『タテ目』または『流れ目』と呼んでいます、また、逆方向をヨコ目といいます。

☆紙の目(タテ目/ヨコ目)の見分け方は簡単
紙を破ってみます。まっすぐに破れる方向をタテ目(流れ目)、そうでない方がヨコ目です。
ところで、「横紙破り」という言葉を聞かれたことがありませんか・・・・? 横目の紙をまっすぐに破ろうとすることで、道理に合わないことを強引にするという意味です。KYの一撃用にいかがでしょうか
また、紙を折り曲げてみてこしのある方(剛性)がタテ目〈流れ目〉です。

3.紙の強さ(剛性)引裂き度/引張強度/耐折/破裂強度

(あまり面白くないので興味のある人だけ読んでくださいね)


紙は弱くてやぶれやすいものですが、そのために手軽で使いやすくまた、廃棄したり、再生したりするにも都合がよいといえます。また、紙の短所である破れやすさを補うためにはいろいろな工夫が施されています。今回は強さを中心に紙の品質についてお話しをします。

紙の強さ弱さは一般的には手触りで感覚的に判断するので、人によってずいぶん差があるものです。
したがって、紙の強度を機械的に測定するためにJIS(日本工業規格)に定められていますがあまり一般的ではありませんので代表的測定機器の名称だけをあげてみました。

@エレメンドル引裂強さ試験機(Elemendorf tearing tester)
  紙を引裂くとき、紙が抵抗する強さを測定します
Aショッパー引張強さ試験機(Schopper tensile machine)
  紙の一端に荷重を加えて紙が抵抗する強さを測定します
Bショッパー耐折強さ試験機(Schopper folding endurance tester)
  紙の折りたたみ、折り曲げに抵抗する強さを測定します
Cミューレン破裂強さ試験機(Mullen bursting strength terter)
  紙に垂直な圧力で破るとき紙が抵抗する強さを測定します
 
その他紙の測定には、紙の表面の平らさを測定する平滑度試験機、ちょっと長すぎて舌がもつれて覚えられませんが紙の白色度、光沢、不透明度、色などを測定するハンター・マルチパーパス・レフレクトメーターなどもあります。

4.紙の白さ(色白の肌は男性の憧れ・・・・だ)
「色の白いは難点隠す」といわれています。「女性の肌が白ければ、少々醜くても美しく見せる」と辞書にもちゃんと書いてあり、古今東西『白さ』への憧れは永遠不滅のようです。秋田の女性は統計によれば日本中で一番肌が白く「秋田美人」はその肌の白さに由来されるようです。(ちなみに、日本人の皮膚の平均白色度は22%、秋田県は30%、また西欧白色人種40.5%:S41杉本元祐博士研究資料)

本題に戻って、紙も一般的に白さが好まれるために、原料のパルプに漂白剤を使用したり、白色の填料を入れたりして白色度を高め、さらに蛍光染料や、青みの染料をいれて白さを増す工夫をしているわけです。もっとも、最近は幼児の健康への影響を考慮して蛍光染料の使用は激減しているようです。

☆白色度(本当に白い紙はどれかな・・・・)
「真っ白い紙」と思っていても、ひとによっては「少し青っぽい」あるいは「赤みがかかっている」とか「黄色い感じ」がするとかなかなか統一できないものです。色の濃淡、白黒などは非常に感覚的で同じ色でも差が出てきます。そこで視覚的なあらわし方とは別に計数的な表現方法があります。それが、白色度です。
「紙に光を当てると、一部は透過し、一部は反射されたりは吸収されます、また、すべての波長の光を吸収すれば黒に見えます。」
すなわち、白色度は、反射の度合で表しすべてを反射すれば、真っ白で100パーセント、すべての光を吸収すれば0パーセントつまり真っ黒となります。(ちなみに雪の白さは白色度70〜80%、白いつつじの花、可憐なこぶしの花は70%程度です) 

☆新聞用紙は白色度何パーセント?
では、毎日目にする新聞用紙、コピー紙あるいはチラシなどの紙はどの程度の白色度があるのでしょうか・・・?代表的な紙の白色度を比べることにします。

■新聞用紙の白色・・・・・・・・・・・・・・55%程度
■上質紙(一般的に使用されている紙)・・・・80%程度
■コピー紙(※フレッシュパルプ100%使用)・・80%程度
■再生コピー紙(古紙配合70%)・・・・・・70%程度
■セメント/コメ袋(重袋クラフト紙)・・・・・・・・・50%前後

※フレッシュパルプ:古紙を入れない新しいパルプで作った紙のこと

☆古紙含有偽装問題はなぜ起こったの?(少し堅苦しい話でスミマセン・・・・印刷に携わっている私たちにとっては大変迷惑な事件でしたね、製紙メーカーさんうそをついたら絶対だめ)
今年の年賀状に端を発した「古紙含有乖離」事件は、紙・印刷業界に身をおくものとして大変恥ずかしい出来事です(まだ解決していません)

○偽装問題が発生した原因は二つ(なぜ起こったのかその原因について私なりに考えてみました)

1.第一の原因(年賀状の古紙含有乖離)は、いまだに続く官尊民卑の考え方ではないでしょうか、というのも年賀状の古紙配合率(40%だそうですが)は製紙メーカーの技術者をメンバーに入れなで年賀状古紙配合検討会で決めてしまい、あとはこの品質(主に白色度・夾雑物(不純物〉含有度合い)で作れと一方的に押し付けたことに問題がありそうです。メーカー側はできもしない紙を「お上の言いつけ」としぶしぶ承諾し、品質重視をせざるを得なく消極的にフレッシュパルプを限りなくうそをついて使用していたということではないでしょうか。

2.第二は(PPC用紙・印刷用紙)製紙メーカーの商業主義(儲け主義)によるところが大きいと思います。かっこよく表現すると競争の原理、本当は含有率を偽ってまで注文をとりたいという商道徳に反する行為の結果だと思います。つまり、こちらも、エンドユーザーからの【古紙100%含有の再生紙でかつ白色度80%】と現在では技術的に不可能な要求に対して、もし要求された品質どおりの紙ができなければライバルに負けると「出来もしない紙」をひたすら古紙の含有率を下げ、白くなるように填料(薬品)をいっぱい入れて作った結果だと思います。(環境にちっともやさしくない・・・・です)。

そして、もっとも重要なことは古紙100%使用と歌ったほうがお客さんが喜んで買ってくれるからです(その点についてはわれわれ消費者は大いに反省する必要があるとおもいます)。

以上白色度について、私心を交えてしたためました。